制作モード
更新日:2022年1月14日
日常モードと制作モードは別物です。前者は、時間を意識しながらなるべく効率良く、諸々のことをこなしていくといった具合ですが、後者はもう少しゆったりとした時間の流れの中で焦らず探求していくと言うものです。特に多忙で日常モードのテンポが早くなると、制作に適した精神状態への切り替えがうまくいかないことがあります。しかしながら音楽を通して気持ちをもっていくことが可能です。私の場合ジャズが特に有効です。さらに言うとビル・エバンスやチェット・ベーカーを聴くとほぼ確実に制作モードへ入っていく事ができます。最近はアトリエに着いてまず聴くのが、キース・ジャレット スタンダード トリオの I wish I knew と言う曲で始まるライブです。ジャレット氏のピアノによって丁寧にゆっくりと音が静けさに注ぎこまれるのを感じながら、私も架空のプールへ滑りこみます。光がゆらゆら漂う中、外界のノイズも程よく遮断された空間を泳いでいくうちに日常の感覚から解放され、制作モードへと入っていけるのです。

アトリエ2021年12月
