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箱の中に熱帯

先日沖縄に住む兄から嬉しいことにトロピカルフルーツが送られてきた。中を見るとそこには島バナナ、パイナップル、シークワーサーなどの柑橘類が間も無く食べ頃を迎える状態で収まっていた。それもそのはず、兄はどちらかと言うと完璧主義で、特に食に関しては人一倍こだわりが強い。そんな兄だから果物の選びかた、扱い方を熟知している。もちろん輸送にも工夫があり、移動中の保冷設定温度が0~10℃のサービスを利用してくれている。温度を低く保つことによって追熟を遅らせることができるのだそうだ。改めて、制御しきれない旺盛な繁殖力の象徴である熱帯をキチッと箱に閉じ込めて送れることが不思議に思えた。開ける前しばらく常温の部屋に置かれた箱からは、かすかにあの独特な熱帯の艶かしい香りが漏れ出ていた。




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