遊びと構造
「遊ぶ」とは何か。調べていくうちに、それは想像以上に複雑な行為であることに気づかされます。遊びと言えば、楽しい、創造的、自由といった言葉が連想されますが、ゲームのような遊びにはルールと言う構造的なものが付きものです。つまり遊びは、固定した部分と流動的な部分の二つの相反する要素からなっていると言えます。ここですぐ思い浮かぶのが織物のタテ糸とヨコ糸の関係です。タテ糸が不動の軸であるのに対し、ヨコ糸は自由に加えていけて可能性に満ちています。多くの私の作品はゲームの要素を含み、まず前提を明確にすることから制作が始まります。ただいま制作中のマッチ箱サイズの立体コラージュ、題して「マッチ箱公園」と言うシリーズも同様です。この場合 3.5 x 5 x 1cmの箱に入るのが前提で、その中の構成はアドリブです。小箱を自分の前に置くと、すっと意識がその小さなスペースに入っていき遊びに夢中になれるのです。
