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しくみ

先日、あることをきっかけに、過去の作品をふりかえる機会をえました。これは私にとってまれなことで、大体において過去を直視すること自体が苦手です。とにかく古いもので15年ほど前の作品をはじめ、さまざまなものをアトリエに並べてみました。すると意外にもその多くがまだ私に何かを語りかけ、今ある作品の裏付けのようなものをもたらしてくれました。まるで、高い崖から下を見下ろし、多くの寄り道をしながらも何とか進んで来た道がくっきり見えるかのようでもありました。
作品のほとんどが紙を使ったものであると同時に、そのつど考え出したシステム(しくみ)がベースにあります。これらのシステムは、ルールや取り決めから成る作品の構造的な部分と、それを実行し反復していくと言う流動的な要素の二つから成り立っています。つまり一つのシステムの中に、常に秩序と同時に混沌への可能性が息づいています。初期のシステムの多くはパターンと持続性を表現した「儀式」を思わせます。その反面、現在は「遊び」の概念に登場する、ルールと逸脱の関係に基づいたものに面白さを感じています。


















試作110113, 10x10cm, 画用紙にペン, 2013




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